トップ>秀月の想い
ネットを通じて、当店には雛人形・五月人形に関して多くの問い合わせをいただきます。
その中でも多いのが、「雛人形・五月人形の大幅な値引きって信用できるんですか?」という内容なんですね。
地元の大型専門店でお雛様の段飾りを強く勧められました。
「いまなら定価40万円の品が16万円。さらに無料配達・飾り付けもサービスしますし、被布・オルゴール・お手入れセット・毛氈もプレゼントします!」
あまりの大幅な値引きとサービスに購入を約束され、すでに内金としていくらかを収めたS様。
ただ日が経つにつれて「こんな大幅に定価より安く売るのって大丈夫なんだろうか?」と一抹の不安がよぎるように。
そこでネットでの検索で当店を知り、実際に雛人形を確かめに来られました。
そこで唖然とされたのが当店の雛人形の価格。
S様は「お雛様で段飾りなら、定価が40万円くらいは当たり前」と聞いていたからですね。
そこで私、S様に雛人形に関して詳しく説明をしました。
雛人形や五月人形の高い定価、これはメーカー上代ともメーカー希望小売価格とも言いますが、メーカーさんが勝手に決めた価格で実売価格とは大きな開きがあります。
我々はこのような不当に高い定価を「天ぷら上代」と呼びます。
ネーミングの由来はテンプラのように「揚げた(上げた)だけ」という事でしょうか。。。
この天ぷら上代からの割引率なんて、何の参考にもなりません。
S様が勧められた雛人形も、定価の40万円で実際に販売していた実績なんてまずないですから。
まぁこれは我々の人形業界の悪いところで、雛人形や五月人形等の販売では、この悪しき2重価格がはびこっているんですね。
私はこの2重価格はお客様を騙しているだけですので、当店の値札やPOPには一切表示しません。
まず店員が、その商品自体のことを詳しく知らないんですね。
(そしてその店員、お客様には段飾りを強く勧めますがおそらく自分自身は持っていません。)
素人に毛の生えたような店員ですから、詳しい説明なんて出来ないのも当たり前。
だから商品の素晴らしさを説明するより、メーカー上代からの大幅な値引きを提示して、お客さんに「今買わなかったら損!」という気持ちにさせることに必死です。
そしてちょっとでも脈があるお客さんなら、さらに値引きをしてきますし畳みかけるようにサービスを重ねていきます。
そう、お客さんに”考える余裕”を与えたくないのです。
売り上げ至上主義の店では、とにかく高額品を売ることにあの手この手です。
店員へのきついノルマがさらに追い打ちをかけます。
「今ならキャンペーン中でお得!」の話も、随分と前からずっと「キャンペーン中」ですから。
その後、その店に行ってにキャンセルと内金の返金を求めましたが・・・。
「内金としていただいた現金の返金は出来ない」と拒否されたようです。
私、その話を聞いておかしいと思いました。
もう飾ってしまったお雛様なら拒否も分かりますが、まだ商品自体をS様は受け取っていないのですから。
ところがどうやら、契約書みたいなものにサインをしてしまったようですね。(多分その契約書に一筆書かれているようです)
現金での返金は無理でしたが、その後はどうなったか・・・
お雛様の段飾りや五月人形の鎧飾り等は人形業界の中でも値の張る商品です。
特に作家物となると価値も上がります。
ただ、この作家も注意しなければ架空の作家であったり、人形師や甲冑師が製作したものではなく実は部品屋等が制作したものを小売店が適当に付けた作家名だったりもしますので注意は必要ですね。
その素晴らしい雛人形や五月人形が、定価からの大幅値引きで「値段なんてあってないような胡散臭い商品」とお客様に誤解されることが心配です。
「どの雛人形や五月人形を選ぶか?」より、「どの店から購入するか」のほうがもっと大切です。
信用のできる店って、”2重価格”からの大幅値引きの提示なんてまずしないですから。
はっきり言いますね。
雛人形や五月人形に関して定価の4割や5割引きなんて、全くアテにはならないです。その価格で販売したことなどない、「とんでもなく高い定価」は現実離れしています。
だから迷っているお客様には、「店長の許可が出た」とか言ってドンドン値引き幅を大きくしていけるのです。
半値で売っても利益が出るなんて、「いったい原価はいくらなの?」と疑ってください。
こんな姑息なやり方でお値打ち感を煽る店は、話だけ聞いてスルーされた方が賢明です。