こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
浜松市中央区のO様より、高級破魔弓飾りをお選びいただきました。

実はO様、今年の3月に浜松市中央区のO様は秀月オリジナルの兜飾りをお選びいただいております。
ご挨拶させていただくと、笑顔で「下の子が生まれてね」と。
おめでたく嬉しい事で、私も思わず笑顔になってしまいました。
という事で破魔弓をお選びにご来店くださったのですが、私を含め3人で「昔は大きかったよね・・・」と納得してしまいまして。
確かに、昔は平均高さ75cmからでしたから、その当時のことをご存知の方からすると物足りないかもしれませんね。

それでも昔に比べたら小さくはなりましたが、質は落とさない様に。
写真の様に、背景には勇ましい龍の彫金を配しました。
矢の本数は近年ではデザイン重視のものが増えてきて、本数にこだわらないものも多くなってきましたが、四本でしたら「四神」を表し、東西南北を護る四種類の霊獣として奈良のキトラ古墳の壁画、四神像が有名ですね。
・東は「青龍」で龍
・西は「白虎」で虎
・南は「朱雀」で鳥
・北は「玄武」で亀
それを、お子様の四方を護るという意味で、破魔弓をお飾りし無事な成長を祈るという意味となります。
ちなみに、大相撲の土俵の上の屋根をみると、四方に房が下がっていますが、それも同様の理由で格式の高さがうかがえますね。
それを忠実に再現した秀月オリジナルの破魔弓飾りが下記で、残念ながら現在は制作しておりません。

しかしながら、実は多岐の方面からリクエストが多いので、復活させる方法を思案中です。

四神に、弓の房の黄色を加え五色となり、五色は仁・義・礼・智・信の五徳を表す伝統の色となります。
この様なお話をさせていただくと、「祭りの山車と一緒!」と気付く方もおられますが、それに気付かれた方はおっしゃる通り、お見事です。

こちらは五本の矢を用いておりますので、仁・義・礼・智・信の五徳を表し、房を二色にして大きな胡桃房を使用し、結びは正面は伝統的な梅結び。
左右の二つは、同じ様に二色の胡桃房を使用し木製の弦巻に総角結びとし、中央の結び目の重なり方によって「入型」と「人型」の二種類に分けられ、入型は神社の調度品などに用いられ、人型は鎧や兜等の装飾に用いられる結び方です。
そして、中心の房に隠れて見えにくくなっておりますが、矢筒には籐が巻かれ、少し分かりづらいですが、獅子が描かれております。
これは、兜にも多用される柄ですね。
こうして、それぞれに意味を持たせお子様・お孫様の健やかな成長を願い、心を込めて制作されております。
上品かつ力強く、御祖父母様・御両親の願いを形にし、可愛いお子様、お孫様を御守護いたします。
O様この度も、誠にありがとうございました、
願いの込められたこだわりの逸品、しっかりとお届けいたしますので。
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