こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
お雛様の衣裳には様々なものがありますが、その中でも天皇のみがお召しになれる黄櫨染御袍(こうろぜんのほう)。
黄櫨染御袍(こうろぜんのほう)
天皇が重要な儀式の際にお召しになる正式な束帯。赤みを帯びた黄色で桐竹鳳凰麒麟の文様が織り出されている。この黄櫨染は天皇以外は着用出来ない禁色とされている。
それを秀月オリジナルのお飾りへと仕上げ、その美しく高貴な姿は奥深く見る者を魅了します。
こうしたお飾りほど、良いお道具類を使用しシンプルに美しく仕上げていくのが私流。
あまり知られていませんが、同じ黄櫨染でもどの反物屋(金襴屋)の黄櫨染を使用するかで、美しさや艶やかさの違いは歴然です。
これは実際にご覧いただき、比べていただくとよくお分かりいただけます。
反物屋であったり織元であったり、どれだけ腕の良い職人さんと繋がっているかというのも、そのお店の実力の差が出るものですので。
その美しい黄櫨染御袍を身にまとい、上品に微笑んで魅せる殿。
殿といえど、薄っすらとお化粧を施しお人形全体のバランスを整えてあります。
そして姫はというと・・・
美しく深みのある赤を基調とし、特別なお化粧を薄っすらと施した美しく気品のあるお顔。
そして二人がより美しく映える様にと、屏風には特別な金箔を使用した、落ち着き深みのある金箔押屏風。
木枠や縁(へり)等にもこだわり、木枠の太さから金具に至るまで全てが計算され、全て手仕事で丁寧に仕上げられた逸品は、屏風自体が美しくあって、屏風本来の役目である殿と姫をいっそう引き立てます。
これも実際にご覧いただくとお分かりいただけますが、不思議なほどに奥行を感じられる様仕上げられておりますので。
雪洞は、見た目の線を細くしホヤには手描きの上品な絵柄を用いて、雪洞の存在自体でお飾りの邪魔をしない様にとし、暖かい灯りで二人を灯します。
お花には、昔から高級繭玉紅梅白梅を使用しておりますが、これは繭玉を開き花の形で型抜きし、紅と白に染めて重ねて作るという大変手間の掛かる格調高い手づくりの紅梅白梅となります。
最近では類似した安価な物が多く出回っておりますが、昔から変わらない職人さんの元での手作りの逸品を使用させていただいているのもこだわりの一つです。
中には、このお花のみをお買い求めされるお客様もいらっしゃるほどですので。
これらこだわりの作品たちを、美しく光沢ある艶やかなお飾り台の上に、引き算方式で余白や空間バランスを取り、ミリ単位で調整し私が仕上げた秀月オリジナル美しいお飾り。
そうして完成したお飾りは、不思議とゆったりとして見え、派手さの無い落ち着いた高級感と美しさで、流行に左右されず媚びる事の無いお雛様の逸品として末長くお飾りしていただけます。
天皇のみがお召しになられる、黄櫨染御袍の美しいお雛様。
今季もご用意させていただきましたので、是非ともその目で違いをご覧いただければと思います。
類似品にご注意ください。
十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月