弊社(私)の制作した兜がイギリス ロイヤルアスコットへ!

こんにちは、人形の秀月 十七代目です。

当工房で私が制作する兜が海を越えイギリス Royal Ascotへ。

6月第三週にイギリスのアスコット競馬場でイギリス王室が主催する競馬開催の事で、イギリスでは「ロイヤルミーティング」と呼ばれ、また日本では「ロイヤルアスコット」などと呼ぶ事が多くアスコットにおける国王陛下名代が開催の監督を行います。

1711年にアン女王がアスコット競馬場こそ競走馬が全速力で走るのに最も適した場所と定め、イギリス王室主催の競馬開催を行ったのが始まりで、イギリスのウィンブルドン選手権やヘンリー・ロイヤル・レガッタ、ゴルフ全英オープンに並ぶ夏の大イベントとして、イギリス国内だけでなく世界中の競馬界と社交界の大イベントとされている。

例年開催中にはイギリス国王自らウィンザー城から馬車に乗って臨席し、レース表彰式では国王自ら優勝馬関係者に優勝トロフィーを贈呈する。

また、レース前の開会式には華やかなパレードが行われる事でもよく知られていて、毎回、ウィンザー城からイギリスの国家元首が馬車で30分程度かけて競馬場に登場してレースを盛り上げる。このような王室の参加・ロイヤルエンクロージャーの立ち入りに関しては、宮内官のアスコットにおける国王陛下名代がこれを監督している。

この様に由緒あるイギリス王室主催の競馬開催で、横浜青葉台のアンティークサロン「アンティークス ヴィオレッタ」オーナーで貴族文化研究家であり作家の青山櫻さんの2024年6月開催 ロイヤルアスコットとバースのお城でのマナー講習」のツアーでお持ちいただきました。

こちらのツアーには毎年多くの方々が参加され、その目玉ひとつがロイヤルアスコットで人生を変える経験としてご好評いただいています。

そして今回の兜は・・・

大きさはスーツケースに入る大きさという事で、小振りで派手にせずあえて控えめな兜を制作いたしました。

写真では分かりずらいですが、兜鉢はアンチ素材(安価なプラスチックは使用しません)の阿古陀形鉢を使用し、小札は黒小札とし縅は紺に赤糸縅。

さりげなくユニオンジャックをイメージしましたが、黒小札の為に少し地味?になってしまいました・・・

両方の吹き返し等には金の蝶と牡丹の飾金具で装飾し、鍬形は伝統的な形で中心には木彫金箔押龍頭はお決まりです。

忍緒は総角とし、色は黒赤にして袱紗は高貴な古代紫。

創造よりも色的に少し地味?になってしまいましたが、イギリスの伝統に対して日本の伝統をと伝統には伝統でお返しするというのも礼儀あと古風な考えは私だけでしょうか・・・

オーナーの櫻さん曰く「組み立て方を指南していると、隣の紳士からも「それは??美しいね」と興味津々の様子で」との事で。

西洋の伝統や文化は日本でも大変喜ばれますが、逆に日本の伝統や文化も海外では喜ばれ熱心に勉強される方もいらっしゃいます。

義父の水墨画もアメリカ・ドイツ・イタリア等に支部がる程で、熱心に勉強研究される方はおおくいらっしゃり、それがご縁でペンタゴンやキティーホークの戴冠式や海軍ですのでブルーエンジェルスのショーにVIPとして招待され「ビデオ撮ってきたで」と見せていただきましたが、あまりの爆音で音が割れ画像が乱れ何が何だか分からなくて皆で大笑いしたりと驚く事ばかりでしたね。

ペンタゴンの時は、ちょうど9.11のテロの時で連絡が取れず随分と慌てたものです。

あちらの方々もこうした日本の伝統や文化に興味はあるのですが、どこでどうやったら触れる事が出来るか分からず、触れる事ができたとしても某国製の物であったり、商売っ気の強過ぎるイベントや催し等は難しくなります。

品物も大事かもしれませんが、義父の言う通りやはり人ですね。

地道に世界に誇る日本の伝統・職人技を伝え広げ、いつかロイヤルアスコットのWinner’s Prizeで、私の兜が渡される日を夢見たりも。

ちなみに、ロイヤルアスコット開催を観戦にあたっては、観戦客並びに報道陣は以下の規約(ドレスコードなど)を守る必要があり規約を守らない場合は主催者側から注意、ロイヤル・エンクロージャーでは退場の処置がされるそうで、なかでも競馬場のロイヤル・エンクロージャーと呼ばれるエリアに入るには更に以下の規約を守る必要があります。

☆男性は、黒色又はグレーのモーニングとトップハット又は軍服の着用。
☆女性はフォーマルドレス&パンツスーツ(上下同じ素材)、衣服に合う頭が隠れる帽子の着用。
☆イギリス以外からの観客限定で観客本人の国籍の民族衣装(日本では紋付羽織袴や振袖など)が可能。

更に伝統行事のグランドスタンド・ロイヤル・ミーティングへの参加及びプライベートボックスに入場するには以下を守る必要があえります。

☆男性はジャケットかスーツ(ネクタイ必須)の着用。
☆女性はフォーマルドレス・パンツスーツ(頭の隠れる帽子必須)の着用。

という事ですが「鎧でもいいのかな・・・渋く馬乗袴や武道袴、もしかして有段者だから空手着でもいいかな・・・」などと真剣に考えてみたりも。

どうやらあまりの暑さで妄想癖が出てしまったようです。

なにがともあれ、ロイヤルアスコット関係者の方にもお喜びいただけ、アンティークス ヴィオレッタのオーナー 青山櫻さんにもお喜びいただけ、日本の伝統が少しでも広がり感謝するばかりです。

関係各社の皆様、誠にありがとうございました。

さて次は海を渡り何処へ。。。

伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月

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