秀月オリジナルの兜収納飾り

こんにちは、人形の秀月 十七代目です。

秀月オリジナルの兜収納飾りを制作。

先ずは兜鉢ですが、少し雅やかにしたいので矧ぎ合わせ鉢両側面に星(金具)を植え、前後に二方白(にほうじろ)を設け銀のヘアーラインの金具を入れ、その上に金の篠垂(しのだれ)配し、頂点に金の美しい八万座でまとめた兜鉢。

鍬形は、長鍬形でシルエットも美しくしたかったので先ずは鍬形を差し込む台輪から。

数ある中から、こちらは真鍮製で純金鍍金を施し、ヘアーラインを入れ艶を落とし、正面に丸い梅の金具を配しました。

そこに差し込む鍬形はというと・・・

同じく真鍮に純金鍍金を施し、ヘアーラインを艶を落とした長鍬形。

本来の長鍬形はもっと長いのですが、兜に合わせてあります。

全体の形や色は頭の中で完成していますので、吹返し乗せる金具は何にしようかと考え、こちらの金具を。

既に取り付ける為に湾曲してありますが、牡丹と蝶えお配した美しい金具。

私の指が綺麗ではないので、金具のアップを。

こちらの金具は、大きいものを噂の特注レクサスモデル着用兜にも使用しております。

贅沢な金具ですが惜しみなく使用し、美しく綺麗な兜を仕上げたいので。

ある程度組み立て、実際に吹返しに使用した写真です。

かなり華やかになり、男の子は「強さに華を持たせてあげる」のも大事なのがお分かりいただけるかと思います。

可愛らしさよりも、強く美しい華やかさ。

そして兜の完成形がこちら。

吹返しの面積も大きくとり、金具を目立つ様にもしましたが、よくあるギラギラとした過剰な装飾のものではなく、純金鍍金を多用しておりますので、落ち着いた品のある美しさに仕上げました。

忍緒は魔除けとされる赤色に大きくした蝶結とし、見た目に兜の下部分が重たくならない様にと房よりも結びを大きくしすっきりとさせてあります。

小札は黒小札とすることで落ち着かせ、威色はこちらも魔除けとされる赤糸威に三色(さんしき)と紺糸で裾にいくほど濃い色で引き締めてあります。

こちらの兜を収納箱にのせてお飾りを完成させると・・・この様に。

こちらの兜の場合、華やかさを持たせたいので収納箱も黒ではなく、伝統工芸の駿河塗りで、赤と黒の中間のような、上品な茶褐色やあずき色(えんじ色)とも言い、朱や赤茶色の中塗りの上に、茶褐色で透明な「透き漆(すきうるし)」を塗り重ねる漆器の技法で、表面から下層の色がほんのりと透けて見えることで、奥行きととろみのある深みを生み出します。

この駿河塗りは、徳川家光時代に浅間神社造営で集まった職人の技術を背景に発展した、静岡県の伝統工芸となります。(類似品にご注意ください)

背景となる屏風も同じ様に駿河塗りで、ワンポイントで唐草模様を配し、これは蔓草(つるくさ)の茎や葉が曲線を描きながらどこまでも伸びていく様子を図案化した、生命力・長寿・繁栄を象徴する縁起の良い伝統文様。

その模様を現代風に取り入れてあります。

兜背面をご覧いただくとこの様に、魔除けとされる赤糸で美しく威されております。

この威すという作業も職人技の一つで、兜鉢に合わせ小札の長さや段数、山数や穴数を決め、それに合わせ威紐の太さを変えていきますので、こうした見えないところにきちんと本来の手間を掛けてあるので美しく末永くお飾りもできます。

私どもの仕事は、手仕事で手間を掛ける仕事なので、だからこそ心も込められる訳ですね。

そして、こちらのお飾りに使用されている弓太刀揃ですが・・・

戦中にサーベル作りから始まり、その後代々弓太刀を制作する職人の弓太刀揃いで、プラスチックは一切使用しておりません。

こちらも弓太刀だけで十分に絵になるほどの美しさで、特に太刀のシルエットが美しいですね。

弓も線は細く藤が巻かれ美しく、矢と矢羽根も美しく、中心にある弦巻(つるまき)とのバランスも良くて。

個人的にも好きな弓太刀職人の作品で、父も高級な人形や兜、鎧には多用していました。

たかが弓太刀揃と思う方も多いかもしれませんが、これを機に知っていただきたいと思います。

全く表情は違いますので。

袱紗(ふくさ)はもちろん、昔から最も高貴な色とされる紫(古代紫)を使用しております。

こうしてそれぞれに意味や職人のこだわりがあり、やたら装飾しれば良いというものではなく、少し控えめな美しさが実は飽きがこず、後からじわじわと良さが出てくる良いお飾りです。

私たち職人の感覚としては、お雛様も五月人形は玩具ではなく、神具や仏具に近いように思います。

※玩具とは「もてあそぶもの」という意味で、雛人形も五月人形ももてあそぶことは、まずありませんし、どちらかと言えば、祝い、祈る対象です。

「可愛い」と「稚拙」はまったく違うもので、お雛さま・五月人形の役目・務めはお子様を生涯にわたって見守り、雛祭り・こどもの日に飾られることですので、大人になっても鑑賞に堪えうるものでなければなりません。

お雛さまも五月人形もおもちゃではありませんので、「品(ひん)」と一種の「気高さ」と、お雛様であれば可愛らしさとともに備わっていなければならないと考えます。

画像・文章等無断転載禁止

十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

伝えたい日本の心 美しい伝統
創業400年 節句人形 製造・卸・販売
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月

▼ポチッとご協力お願いいたします
ブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 静岡県情報へ
目次