掛川市 二の丸茶室

こんにちは、人形の秀月 十七代目です。

掛川市の二の丸茶室へ伺いました。

いつ訪れても心落ち着くところで、まさに一服という感じで伺います。

日本庭園と伝統的な数寄屋造りの建物は、いつ見ても良いですね。

毎回座る場所を迷うのですが、「お庭が一望できるこちらへ」と言う事で、上座へ通されます。

上座には殆ど座る事が無いので、いざ座るとなると恐縮してしまいますね。。。

しかし、確かに庭がも一望でき、部屋全体も見渡せますので特等席です。

今時、上座下座という人はいるのかなとも思いますが、ふとした時やビジネスシーンでは欠かせないものですので、知らないよりも知っておいても良いかもしれませんね。

そして、敷かれているのは赤い緋毛氈。

緋色(赤色)には、魔除けや生命力の意味があるとされ、お茶席に縁起の良い意味を持ち、茶席やお雛様・お祝い事や儀式など、様々な場面で使われます。

野点でも使用されますね。

こうして、きちんと意味があるんです。

ちなみに二の丸茶室で使用されている毛氈は、天壇といって厚さ3mm ウール100%の最高級の毛氈です。

弊社でも取り扱いがありますので、年に何本かご依頼がありますね。

そうこうしているとお抹茶とお茶菓子が運ばれてきます。

今回は貸し切り状態でしたので、ちょっと殿様気分になった様に胡坐をかいて、一人でお庭を眺めながらいただきました。

贅沢ですね。。。

お茶菓子も涼しげで可愛らしく良いですね。

これだけで涼を感じられます。

こうした季節のお菓子であったり、建物や簾であったり畳であったり、多湿な日本に合う様にできているんですね。

特に畳は、最近の高温多湿な日であってもサラッとしてますし、その畳の下の作りも空気が通る様に出来ています。

冬は冷たくなりませんし、年月が経てば適度な柔らかさも出て、昼寝するのには最高ですね。

畳は湿気を吸いますので干さなければなりませんが、日本の気候に合った物です。

簾も同じで、日陰になりながら風を通しますし、壁も漆喰であれば尚更ですね。

これらは昔は日本家屋で普通でしたが、現在では逆に高価になってしまい、特に漆喰の出来る左官屋さん(職人さん)は少なくなってしまっています。

今でこそ、壁紙やビニールクロスといった素材が殆どですが、ひと昔前は自然素材でエコな建物だったんですね。

それが今では高級で、贅沢になってしまいましたが。。。

私は専門家ではありませんが、こうした建物は風の通りも計算してある筈で、窓を全開にすれば風通しも良く気持ちよく昼寝ができるハズです。

そんな事を考えながら、ふと窓の外に目を向けると、写真の様な石碑が。

夫婦仲良くでしょうか、紫陽花が添えられてあって、ほっこりしてしまいますね。

これらを維持するのには大変な手間が掛かると思いますが、そうした事が出来る時間的な余裕のある生活に憧れます。

また、この様な事を感じられる余裕も必要ですね。

デジタル化社会に憧れはありませんが、アナログ社会には必要性を感じます。

デジタルやAIを使いこなしている様に見えますが、実は使われているだけの様にも見えますので。

そんなことを思いながら、至福のひと時を過ごすことができました。

あらためて日本人で良かったなぁと思える時間でした。

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伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師・甲冑師 十七代目 人形の秀月

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