こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
石川県珠洲市のT様より、間口120cm七段飾りの毛氈をお選びいただきました。
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最初、T様よりお電話をいただきまして。
珠洲市といいますと、大変な被害に合われた所ですが、T様のお雛様も濡れてしまいお人形等は何とか大丈夫だったそうですが、毛氈はやはり駄目で新調されたいとの事で。
「仮設住宅で大変ですが、雛人形は飾ってあげたいのでお願いします」とおっしゃられ「私はスマートフォンじゃ無いので写真とか見れないんですが・・・大丈夫でしょうか・・・」と若干不安げなご様子も。
確かにそうだと思います。
なので、なるべく不安を取り除けるようにと、事細かくお話をお聞きし、事細かくご説明させていただき、ご安心いただきご注文していただきました。
こういう時こそ、信頼であり信用でしょう。
現在、七段飾りの毛氈というとなかなか手に入らない状態で、あったとしても三段飾りくらいまでで、安価なメルトン(ニューメルトン)という化繊の薄い毛氈がネット等でよく販売されています。
もちろん専門店であれば購入前に説明があると思いますので間違い無いと思いますが、購入後に「こんなにペラペラ!?」と驚かれるかもしれませんし、同じ赤でも全く異なりますので当店ではお買い求めになる方はいらっしゃいませんし、おススメもしておりません。
よくお飾りの下に敷く毛氈でメルトン(ニューメルトン)をサービスでお付けする所もありますが、昔の様な畳ならともかくフローリング等の床ですと大変滑りやすくなり、お子様がハイハイ等で近寄った時に誤って滑ってしまう可能性があり危険ですので弊社ではサービス品でもお付けしておりませんので。
T様のお雛様は昔ながらのお雛様とお聞きしているので、あの当時の毛氈だとコレだと分かり、さらにヘリ付ですのでアレだなと分かりますので手配する訳ですが、現在は七段飾り自体がそれほどお買い求めされるお雛様ではありませんので、毛氈の製造元にも無いことが多く、さらにヘリ付となると尚更手に入りづらくなります。
それでもせっかくなら、並以上の良質な毛氈をお使いいただきたいので。
そして、直ぐに手配しお送りさせてただ来ました。
写真でもお分かりいただける様に、少しフワッとしているのがお分かりいただけるかと思います。
毛氈には何種類かの種類があり、それは厚さや素材の違いであり、厚手の良質な毛氈ほど上品な色で高級感が出てきますので、その辺りの事も含め、安いからと安易にポチッとするよりも専門店で説明を聞いてからポチッとしても遅くはないと思いますが。。。
無事にT様の元へと到着した様ですので、大変かとは思いますが、立派な赤い毛氈の七段飾りでお子様をはじめ、多くの方に希望を与えていただきたいと思います。
T様、これくらいの事しかできませんが・・・頑張ってください。
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