こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
浜松市浜名区のO様より、佐賀県武雄市に住む可愛いお孫さんへと秀月オリジナルの子供大将 天児(あまかつ)をお選び下さいました。

O様はお正月飾りの破魔弓もお選びいただいており、「何か良い五月人形を」とご来店、お選び下さいました。
本当にありがたい事です。
お選びいただいた、ご好評いただいております秀月オリジナルの子供大将 天児(あまかつ)ですが、O様は金小札に緑の段縅と言って上段から下段にかけて緑色が濃くなる縅で、秀月では春の訪れをイメージする「陽春(ようしゅん)」と呼ぶ縅色。
暖かく優しい縅色で、ご好評いただいております。
これもこうした縅が出来るのも、製造元だからこそ可能な事ですので。
鎧の下のお着物も、陽春に合わせ京都西陣の緑の琳派の金襴を使用し、トータルコーディネートが図られております。
写真手前に少し映っていますが、これは鯉のぼりで、現在ではなかなか外に揚げる方も少なくなってしまっていますが、それでもせめて鯉のぼりを体感していただきたいと、昔ながらの職人さんの手作りによる鯉のぼりで、大きさは高さが「屋根より高い鯉のぼり」という歌の通りで、天児(あまかつ)君よりも少し高くしてあります。
もちろん右手には、采配(さいはい)を握りしめておりますので。

こちら側には白馬。
大将と言えば白馬ですので、昔ながらの飾り付けられた白い飾り馬で、飾り馬職人の手で昔ながらの奉書紙で創られた飾り馬ですが、元気よく二本足で立つ跳ね馬としました。
この奉書紙とは、自然な白さと和紙ならではの風合いが特徴で、当時幕府が公文書を作成するために用いていた最高級の公用紙(和紙)の事です。
大将が乗る馬ですので、最高の馬を。
お飾り台と屏風は、古風にも茶系で木目を生かした美しい塗りで畳敷きとし、屏風の絵は端午の節句の美しい菖蒲が描かれております。
これは、昔から端午の節句に菖蒲(しょうぶ)を飾ったり、菖蒲湯に入ったり、地方によって風習が異なりますが、軒先に菖蒲をさしたり寝る前に枕の下へ菖蒲を置いたりと、さまざまな習慣があり、菖蒲には古くから邪気を払う力があると信じられており、健康や厄除けの効果もあると言われております。
また、武士が活躍する時代では、武士の精神を重視する「尚武」の考え方と関係が深かったと考えられていて、そのため力強く健やかな成長を祈願する意を込めて、現在の「端午の節句」に変化したという背景もあります。
こうして、きちんと意味いわれがあり、ただ単純に綺麗だからとかいう今時のデザインのみの物とは違う訳ですね。
弓太刀も、この子に合わせた豪華な弓太刀揃いで豪華に力強さを表現しておりますので。

お顔はもちろん「秀月のお顔」で、子供らしくも凛々しい表情で昔からご好評いただいております。
このお顔も、見る角度で表情が変わりますので、いつまで見ていても飽きず、ずっと見ていたくなるお顔ですね。
見れば見る程に愛着も湧いてくる、奥深いお顔です。
着ている鎧や兜の創りも、実際の鎧飾りや兜飾りと同様で、背面までもきちんと手をいれ創り込まれておりますので、それぞれのお飾りをそのままお人形に着せたと思っていただければと思います。
ですので、必然とそれなりの金額にはなりますが、それにはそうした理由がしっかりとある訳で。
安価なプラスチック類は一切使用しておりませんので、その価値をお分かりいただいている方に選ばれております。
他所には真似の出来ない秀月だけのオリジナルの子供大将 天児(あまかつ)。
O様はご来店され、瞬時に「この子がいい!これでお願いします」とお選びくださいました。
やはり、分かる方には分かるんですね。
O様この度も、秀月の五月人形をお選びいただき誠にありがとうございました。
佐賀県武雄市のお家に行って、可愛いお孫様をしっかりと御守りし、健やかな成長へとお導きいたしますので。
どうぞ皆さんで、楽しい初節句をお祝いくださいね。
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