こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
浜松市浜名区のH様より、美しく豪華な羽子板飾りをお選びいただきました。
H様は、浜名区では知らない人は居ない創業80年の老舗のうどん屋さんで、代々秀月で揃えられている上得意様です。
今回も「いろいろ見てきたけど、やっぱり秀月さんのお顔も着物も一番いい!どこにも負けないよ。だからうちはずっと秀月さんなんだから」とおっしゃっていただき、物を知っている老舗の親方に言われると最高に嬉しいですね。
こうして秀月は代々昔から御商売をされている方や上得意様、お得意様、新規のお客様やお知り合いやご近所様に支えられております。
本当にありがたく嬉しい事ですね。
こちらの羽子板飾りですが、ガラスケースの高さが約50cm近くあり現在では大型の羽子板飾りの部類に入り、品良く見栄えのする高級羽子板飾りとなります。
羽子板は、伝統的な手づくり押絵羽子板。
お袖は特許製法の立体振袖となり、片袖を右手で引っかけて見せているという小粋な動きのある形となっており、一般的な羽子板より手の込んだ作りとなっております。
お袖は左右で金襴と絞りを使い分け、より豪華さが増す様にと仕上げられたもので、通常の振袖の羽子板よりも手間と多くの反物を使用し作り込まれておりますので、見た目にも美しく重みが出てきますね。
配色は向かって右側の金襴は白系とし、左側は絞りで紫系としてありますので、少し現代風に寄せた配色で清楚な華やかさを表現しております。
板自体に贅沢に金襴を使用し、帯にももちろん金襴を使用し、大きく豪華に仕上げられておりますが、控えめにして品良く。
お顔は、可愛いというよりも美人顔。
しっとりと落ち着いた雰囲気で、簪は豪華にするところも粋な計らいです。
お顔の目線の向きで表情は変わりますが、目線を下げ少し色っぽくしますので、やはり可愛いよりも美人顔の方が合い、お客様が選ばれる率は間違いなく高くなりますね。
見ていて飽きが来ないのも美人顔で、時折、現代風の可愛らしいお顔というものもお見かけしますが・・・やはり皆さん美人顔に戻ってこられます。
ガラスケースは、昔からの茶色の高級木目調で、落ち着いた高級感もあり黒塗りと並びご好評いただくガラスケース。
最近では「軽くて丈夫だから」といううたい文句でアクリルケースが多くなりましたが、やはり見比べてみるとガラスケースの方が間違いなく高級感があります。
当店でもアクリルケースはありますが・・・ヘアーラインという細かな傷が付いたり、年月が経つと黄色っぽくなったり、乾拭きすると静電気を持って埃が付いてしまったり、メリットは軽くて割れないですが、デメリットもこの様にあるので、長年お飾りする事を考えると間違いなくガラスケースの方に軍配が上がります。
30年程前にアクリルケースが出てきて、当時は水槽屋さんが制作し弊社に持ち込まれいろいろと検証してみましたが、上記の事プラスどうしてもアクリルケースの中に入ると品物が安価に見えてしまうので、採用しませんでした。
こうしたメリット・デメリットを比べていただき、ガラスの仕様にもよりますが同じ価格帯であれば、より良く映える方がよろしいのではと思います。
背景は落ち着いた金を使用し、華美な装飾は必要もせず、羽子板本体を引き立てていく様にと。
これは、全てのお飾りに共通する事ですね。
そして、羽子板台を赤に周りを金とし桜の花も入れ、可愛らしく毬飾りも添えて。
時代の流れから様々な羽子板・破魔弓も誕生してきていますが、やはり昔から続くお飾りは流行に左右されない職人が制作したものをおススメします。
H様、この度も誠にありがとうございました。
さすがお目が高く、立派な羽子板飾りをお選び下さいまして。
秀月の羽子板飾りで楽しい初正月をお迎えくださいね。
羽子板をお飾りする理由(わけ)ってご存知ですか?ちゃんと意味があるんです。
十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月