こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
浜松市天竜区春野町のI様は東京都北区にお住いの可愛いお孫さんへ、秀月オリジナルの兜飾り 伊達政宗公ケース入り 極上をお選びいただきました。

秀月は製造元ですのでケースはご用意してあり、そのケースに入れる兜をお客様にお選びいただく事ができます。
使用する高級アクリル製のケースの大きさは、間口27cm 奥行27cm 高さ27cmと、ほぼ真四角ですので大き過ぎず小さ過ぎず綺麗に上品にお飾りすることが出来ます。
使用しているアクリルも厚手になっており、クリア度が高くなっており、背面は透けたブラウンになっておりますので、兜自体も美しく綺麗に映えます。
I様のお孫さんは東京都内のマンションで、どうしてもお飾りするスペースが限られてしまうのですが、「飾るところが無いって言うけれど、初孫だし良い物を贈ってあげたいので。そしたらやっぱり秀月さんで」と、春野町から1時間以上かけてご来店くださいました。
本当にありがたい事です。
お選びいただいた兜は伊達政宗公。
こりちらケースに入るサイズでは、ぎりぎりの大きさまでもっていき、お飾り自体は小さくとも、出来る限り立派に映える様にと仕上げさせていただきました。

黒小札に紺糸縅で耳糸が黄色は、本来の伊達政宗公のカラーですので、シンプルですがお洒落で綺麗に映えますね。
創作で様々な縅色を使い分けますが、やはり本来の色が一番綺麗で『伊達政宗公』という感じがします。

政宗公の象徴ともいえる三日月の前立てですが、今回は艶を持たせず立体的とし、ブラスト地といって砂を吹き付けた様な使用とし、落ち着かせながらも品良く映える様にといたしました。
あまり艶々ですと、使い方によっては安っぽく見えてしまうので、その辺りは作る人のバランスの取り方次第ですね。
忍緒は伊達政宗公らしく紺色の総角とし、袱紗は定番の昔から最も高貴な色とされる紫(古代紫)を使用し、この下に芯木が入っているのですが、芯木のみを高くし袱紗を被せ兜を載せると、兜と床の間が空き過ぎて間が抜けた様になってしまうので、下台を一枚重ねて高さを作り、適切な高さでバランスよく仕上げております。
袱紗も正面から見ると、キチッと基本形の菱形になる様に被せ固定してありますので、美しい仕上がりとなる訳です。

兜鉢は総覆輪鉢(そうふくりんばち)とし、鉄片を矧ぎ合わせ覆輪を巻き、星という金具を全体に植えた高級な兜鉢です。
この兜鉢だけでも、プラスチック製の兜鉢の軽く10倍以上はする代物ですね。
錣(しころ)は吹返しと一体化している共吹き・共錣(ともじころ)とし、キッチリと基本の三段仕上げとなっております。
こちらのケースは、背後からもご覧いただける様になっておりますので、背後からご覧いただいても全く問題ない通常の仕上げとなっており、これが人形師・甲冑師の仕事で何処からご覧いただいても簡略化・簡素化はしておりませんので贈り物としても安心してお飾りいただけます。
これが「価格の違いは品質の違い」というものですね。
弓太刀揃いは、ケースに入らないという事もありますが、無理に入れれば入らない事は無いのですが、見た目的にもごちゃごちゃしてしまうだけで美しくないので、こちらのケースにはお入れしません。
また、この様な兜に見合うだけの弓太刀揃いとなると、やはりそれなりの金額になってきますので。
ちなみに、こちらの兜自体はプラスチックは一切使用しておりませんので。

そして、こちらのケースは被せケースといって上から被せるケースとなり、背景は薄い茶色が入り、龍(龍神様)の金具が付きますので、よりいっそうお孫さんをお守りいただける事でしょう。
そして、作札は昔ながらの木製で『秀月』と銘が入ります。
この四角にも意味があり、「角が欠けるのは縁起が悪い」という事から、代々四角を使用しております。
話しは戻りますが、完成した写真をと思いましたが、肝心な完成後の写真を撮り忘れてしまいました・・・申し訳ございません。
その後、しっかりと固定されている事を確認し、東京のお孫さんの元へと発送いたしましたので。
こうして、秀月ではセミオーダー等、製造元の利点を生かし、お客様と一緒にお飾りを創り上げる事も致しております。
I様この度は、秀月オリジナル兜飾り 伊達政宗公ケース入り 極上をお選びいただき誠に有り難うございました。
他所では手に入らないお飾りですので、誇らしくお飾りいただき楽しい初節句をお祝い下さいね。
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