こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
掛川市のS様より、浜松市中央区にお住いのK様にと可愛い収納箱飾りのお雛様をお選びいただきました。
K様は、ご家族で早々よりご来店されており、ショールームに並ぶのを今か今かとお待ちになられておりました。
実はK様、予定日が1月26日ですのでこれからなんです。
お気に召されたお雛様ですが、早々に嫁ぎ先が決まってしまうという事をご存知ですので、ご両親のS様と一緒に開店して直ぐに選ばれていかれました。
こちらのお雛様ですが、お顔を現代風に寄せ、目をパチッと開き優しく微笑む現代風の可愛らしいお顔のお雛様。
大きさは間口55cmとコンパクトながらも、収納箱件お飾り台にバランスよくできるだけ大きなお雛様を載せてあります。
収納箱飾りの場合、例えば大きさが間口60cmだとすると、これは外寸(がいすん)といって箱の外側の大きさの事で、箱の内側を内寸(ないすん)と言って、板の厚さ等の分だけ小さくなります。
その小さくなった内寸の中に、お人形やお道具類の全てを入れる訳ですから、どうしても同じ間口60cmの出し飾りよりもお人形自体も全てが若干小さくなってしまいますのですが、バランスを見ながらお人形とお道具類の比率を変え見栄え良くするのも、専門店の技ですね。
こういう専門的な事は、「収納箱なのでしまう時に楽ですよ」程度で先ずは説明されないと思いますが、主役はお人形ですのでバランスを取りながらできるだけ大きなお人形を載せ、それに合わせお道具類も合わせ、違和感なく整う様にして、しまう時にはキッチリと収納箱の中に納まる様に仕上げてありますので。
聞けば何気ない事かもしれませんが、同じ金額であれば人形にできるだけ比重を掛けるべきなのですが、屏風やお道具類に気を取られ、出来そうで出来ていない事なんですね。
殿のお顔も現代風に、目を大きく優しく微笑むお顔。
そして、お着物も小さいからと言っても質は下げる事はせず、春らしく優しい桜の花がしっかりと刺繍されたお着物です。
これでお着物の色柄も可愛らしくなってしまうと、今度は幼くなってしまい、お子様が小さい時にしかお飾りできなくなってしまうので、その様な事が無い様に出来るだけ長くお飾り出来る様にと専門店であれば仕上げるものです。
やはり、お子様が大きくなられても「私のお雛様」としてお飾りいただきたいので。
背景となる屏風は、桜和紙に枝桜を入れ、より優しい春の雰囲気を持たせながらも、屏風の袖は革紐を使用し大人の雰囲気を持たせてあります。
そして収納箱兼お飾り台は、華やかで可愛らしい色合いで、女性らしい可憐さを持たせた甘く鮮やかな薄桜色。
白木とは異なり、しっかりと塗りが施されておりますので、高級感と可愛らしさが生まれます。
お道具には、金の艶を持たせた盃で、水引と桜の花を添えて。
灯りは雪洞で、大胆にゴールドを使用しておりますが違和感なく、ピンクぼかしのホヤにしだれ桜が描かれ可愛らしく灯りを灯します。
お花は桜橘ですが・・・アレンジしてありお飾り全体の雰囲気を損ねる事なく、伝統的なお雛様に仕上がっておりますので。
こうして完成したお飾りですが、一点ものでしたので早々に完売となっております。
K様の場合、付属品としてご好評いただいている秀月オリジナル お名前立札(木札) オルゴール付を選ばれておりますので、お子様のお名前待ちです。
お名前が決まり次第、筆耕さんが手書きでお名前をお入れいたしますので。
秀月では、他にもこうしてお生まれになる前に性別が分かっていらっしゃれば、先にお飾りをお選びいただいておいて、後からお名前をお入れする物に関しては、お生まれになってお名前が決まってからというお客様もいらっしゃいます。
タイミングにもよりますが、その子にとっては初節句になりますので、無理のない範囲で可能であればお祝いしてあげたいですね。
もしタイミング的ご購入に迷われる様でしたら、お気軽にご相談ください。
S様、K様この度は、秀月のお雛様をお選びいただき誠にありがとうございました。
今はちょうど少し不安な時かもしれませんが、間違いなく元気な女の子がお生まれになりますので、皆さんで明るく楽しい初節句をお祝いくださいね。
十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月