埼玉県越谷市のE様はお雛様の髪の毛と冠の修理

こんにちは、人形の秀月 十七代目です。

埼玉県越谷市のE様よりお雛様の髪の毛と冠の修理を承りました。

E様はブログよりお問い合わせいただき、43年前のお雛様という事で先日、埼玉県越谷市のE様は雪洞の修理も承っておりました。

お顔の方が修理に時間が掛かりますので、先に雪洞をお直ししてお顔の修理を。

髪の毛の乱れですが、古いお雛様となる顔紙を付けたり外したりしているうちに擦れて、どうしても乱れてきてしまいます。

これが、少しだからとお客様ご自身で直そうとすると、余計に酷くなってしまい手に負えなくなってしまう方も多くいらっしゃいますので、少しだからとご自身では触らない様にお願いいたします。

冠は、棒で刺さっているのですが、根元から折れてしまっています。

これもよくある修理ですが、今までの例からすると防虫剤で頭から被せるタイプに多く、次の年にその防虫剤を取ろうとして冠を一緒に摘まんで取ってしまうか、被せてある時に冠に負担が掛かり徐々に曲がって緩くなってしまうものが多いですね。

ですので、私的には被せるタイプの防虫剤はおススメしません。

この冠の折れですが、ここもご自身でお直しされようとする方が多く、届いてみると接着剤がベッタリという事もあるのですが、接着剤では固定できませんし、髪の毛の中まで接着剤が入り込んでしまうと、他の修理もできませんし、できたとしても毛を総取り換えとなってしまう事もあり、高額になってしまいますので、ご自身では修理されません様お願いいたします。

E様の場合は、そういった事はされておりませんので修理も必要最小限で済みますが、それでも職人がひつつひとつ手作業でお直ししていきますので時間も掛かります。

ご存知ない方は、直ぐに修理ができるとお思いの様ですが、他のお客様の修理もありますし、修理の方が新品を制作するよりも何倍も手間と時間が掛かるという事をご理解ください。

E様のお雛様は髪を結い直し、冠を新調し修理完了したのがこちら。

綺麗なお顔に戻りました。

こうしてご覧いただくと、43年前にはなりますが綺麗なお顔ですね。

その当時の面影もあり、目も大きく関東風の綺麗なお顔立ちです。

こうしたお顔は時が経てば経つほどに良い風合いとなり、現代風のお顔とは違うお雛様らしいお雛様として残りますね。

こうしてお顔一つにしても、その時の時代背景が表れますので「古きよきもの」として残って欲しいと思います。

そしてこの子も綺麗になり、清々しいお顔になって今年もお飾りされる事でしょう。

嬉しいですね。

E様この度は、誠にありがとうございました。

どうぞこれからも末永くお飾りくださいませ。

雛人形・五月人形の修理・リメイクにつきましては、こちらよりご覧くださいませ。

十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

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人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月

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