こんにちは、人形の秀月 十七代目です。
お雛様・五月人形選びはお店選びから適正価格と忌み言葉(いみことば)について少々。
(怒り)
仕丁(しちょう):別名を衛仕(えじ)ともいい、3人一組のもので十五人揃に属し白衣を着たもの。
向かって右から立傘・沓台・台傘持ちの順に座り、人間の感情の笑い・泣き・怒りの表情から三人上戸(さんにんじょうご)の別名もあり、昔の七段飾り十五人揃には必ず居て、現在では殆ど皆無に等しいので実は貴重なお人形です。
徐々にですが、お雛様を下見に来られる方やお決めになられる方が増えてまいりました。
多くのお客様がお雛様選びに各店舗、ショールームであったり、ネットであったりで探される方が多いかと思います。
その時、お雛様選び・五月人形選びの第一歩として、最重要視していただきたいのがお店選びです。
これはお雛様・五月人形選びよりも重要な事です。
「でも、どうやってお店を選べばいいの?」となってくるかと思いますが、これを見定める方法がいくつかあるのですが、先ずは忌み言葉(いみことば)。
忌み言葉(いみことば)とは、慶事や弔事で縁起が悪いという理由から、使用することがタブーとされている言葉を忌み言葉(いみことば)と言います。
例えば・・・値引く・引く・割り引く・負ける・赤字や赤字表記など・・・
現在では、当たり前の様にお客様との会話で平気で使っている販売員も居て、当店にご来店されたお客様から「せっかくのお祝いなのにやたら値引くとか言って買わそうとしてね。なんだか縁起が悪い気がしてしちゃって・・・うちの孫(子供)の価値はそんなものなのかって思っちゃいますよね。ほんと失礼しちゃってね」とおっしゃってご来店されるお客様が増えてきています。
なかには「うちの孫はそんな安物扱いされる様な子じゃねぇ!って怒ってきただよ。あんな店には二度と行かん!」とご立腹でご来店される御祖父様もいらっしゃるほど。
それだけお子さんのお祝いの為に幸せを願って嬉しい気持ちでご来店されるのに、売る事だけが目的で何とかお得感を出して買わせようとする姿勢は、商売というのも分かりますがいかがなものかと思います。
そして赤字表記も「せっかくのお祝いに赤字商品なんて縁起が悪い!」とおっしゃるお客様も方も実は少なくありません。
お祝いものですので特に御商売をされていたり、そうした事をご存知の方は、損得ではなく縁起が悪い事自体を避けられますから。
残念な事に、こうした話しが出るという事は、それだけ業界の販売に携わる人間が勉強せず仕事を知らず、質が下がってきてしまっているという証拠です。
そして、やたら値引いたり赤字表記する事で、結果的に「この作者の人形は、こうして割引して販売される程度の人形なんだ」と作家さん自体の価値もさげてしまう訳です。
そうして価値を下げられて選ばれなくなってしまったら、また次の作家さんを探しもしくは素人に作らせ、素人ならまだ良い方で某国で・・・なんて事もあり、同じ様な事を繰り返し結果的に業界全体の価値や伝統行事やしきたりや習わしを忘れさせ、価値さえも下げてしまっているのが現状です。
私自身、婚礼業界にもおりましたので、上記の様な言葉を使用したものならキャンセルどころか大クレームにもなりますから、お祝いに関する仕事であれば必要最低限のマナーは守っていただきたいと思いますね。
職人(人形師・甲冑師)として、人形の制作に携わっている方々の顔を知り、その苦労を知っているので値引くとか安くする等と私にはとても言えませんし、それよりもそのお人形の価値をきちんとお客様にお伝えし、ご納得してお選びいただく事の方が大切だと私は思います。
自身も含め自分の祖父や両親、または自分の子供が一生懸命作った作品を、「安くしときますよ・値引きしますよ」などと簡単に価値を無い物にできますか?という事です。
それが出来るという事は、そのお店や販売員が仕事を知らないか、メーカーや製造元以外のどこかの物をあらかじめ高値を付けて・・・という具合かもしれませんが、それはその会社のスタイルですが残念ですね。
簡単に「今お買い上げいただけるなら値引きしますよ。安くしときますよ」等といった言葉を口にしたり表記したりしているお店は、ただ流行り物を集めて他店より安くノルマ達成の為に売る事だけが目的で、仕事を知らないから安さでお客様を足止めするという、本当の専門店ではないと思っていただいて間違いないでしょう。
それが専門店と呼ぶのであれば、私の様な所はなんて呼べばよいのやらです。
そうした売り方をし続け閉店?してしまったお店も全国にあり、話しによるとそこの商品はとある会社へ流れ、そこからまた同じ様な会社へ流れたと聞きますが・・・そこではきっと破格な安さで売られるのでしょう。
(泣き)
そうした事から、平気で忌み言葉を使い値引きや安さを売りにしているお店はネットショップを含め、物事と価値が分かっていない売る事専門の業者だと思い、説明だけ聞いてスルーされた方が賢明です。
説明もどこかから引っ張ってきた様な薄っぺらい言葉で、よく聞くと大した事は言ってなく自身の言葉では無いので説得力はありませんから(そういうところにかぎって、やたら専門用語を使いプロっぽくみせます)。
弊社の含め、全国に点在している製造元や作るという苦労を身をもって体験している老舗人形専門店は、派手な事をするよりも地道にお客様の信頼を得るという事を心得ていますので、規模の大小関係なく現在も頑張って店を張られ、売り文句ではなく熱心に説明してくれます。
インターネットという便利な道具が普及しましたので、簡単にネットショップ等も開業する事が出来る様になりましたが、見た目に惑わされず、見知らぬ人が発したような言葉にも惑わされず、何を伝えようとしているのかを見極める目も必要となってきています。
「修理は出来ないと言われた」「写真と実物が違っていた」「問い合わせ先が分からい。あっても繋がらない」等々、様々な話しを聞きますが、一番多いのは「写真と違っていた」、次に「修理を断られた」と言って弊社に相談される方も非常に多いですが、「写真と違っていた」とご相談されても、残念ながら私にはどうする事もできませんので。
これは、それぞれのお店のスタイルですので一概には言えませんが。
また、そうしたお店ほどショッピングサイト等に加盟しポイントなんかも付けお得感を出している様な気がしないでもないですが、私の知る限りでは、専門店は自社サイトでの販売がほとんどですから。
実店舗もあり、名の通っている信用のあるお店であれば別ですが。。。
我々のお品は、大切なお孫様・お子様のお祝いのお品です。
(笑い)
上記の事を踏まえ、お人形選びよりも先ずはお店選びを。
分からない事や疑問に思える事がありましたら、先ずは聞く事です。
モニターや写真で見比べても、色変わりや歪み等も出て実際に目で見ている様には見えませんし、良く見える様にと色補正されている物も多くみかけますのでご注意ください。
十七代目 人形の秀月は400年の製造元して、昔から変わらぬ気持ちで大切なお子様(お孫様)の初節句のお祝いのお手伝いをさせていただくべく、適正価格にてご案内させていただいております。
こういう時代だからこそ、お子様(お孫様)の為により良いお雛様・五月人形にてお祝いしていただきたく思い、あえてお聞き苦しい事を申し上げましたことご理解いただければと思います。
十七代目 人形の秀月は皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月